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2020年2月18日 / 法律ミニクイズ

法律ミニクイズ 5 老後のお金の管理、遺言書にかいておけば大丈夫?

知ると少し「へーとなる」法律のミニ知識のコーナー

今日は老後の財産管理について出題です。
認知症などで判断能力が衰えたときの財産管理、心配ですよね...?

 

クイズ(〇✕問題です。)

そんな老後のお金のこと、例えば遺言書に
「老後のお金のことは、長男に任せる。」
と書いておけば、万が一自分が認知症になったとき、長男に自分の預金の引き出しや解約をしてもらうことができる。
〇か✕か。

 

 

 

 

 

 

答えは✕です。
遺言は、自分が亡くなった後のことについて書き残しておくもので、亡くなる前は効力を発しません。
民法第985条第1項にも
遺言は、遺言者の死亡の時から効力を生ずる。
とあります。

時々、相談で「『老後のお金のことや、家のこと(自分が施設に入ったりして住まなくなったときに自宅を売ってもらう等)は、息子に任せる。』と遺言書に書いておけば大丈夫ですよね?」と聞かれることがありますが、これは間違いです。

遺言書は遺言者が亡くなった後にしか効力を発生しません。
ですので、例えば、自分が亡くなった後、自分名義の不動産を長男に相続させたい、預貯金は妻に相続させたい、といった思いは遺言書を作成することで実現させることができますが、
自分が認知症になった後のお金の管理は子どもに任せたい、自分が住まなくなった後は自宅は売ってその売ったお金を施設費用に回してほしい、といった思いは遺言書では叶えられないのです。

では、こういった老後のお金や財産についての願いはどうすれば良いのか。。。
こういった願いは遺言書ではなく、任意後見制度や民事信託という制度で対策をとることができます。
ただ、この任意後見制度も民事信託も、判断能力がしっかりしている間でしか行えないものになりますので、認知症などで判断能力が衰える前に検討する必要があります。

老後の財産管理についてのご希望がある方や、詳しく話を聞いてみたい方など、お気軽にお問い合わせください。