お知らせINFORMATION

お知らせ詳細

2018年7月24日 / ブログ

遺言書を作成したあとに心が変わったら?

今日は、複数の遺言書が作成されていた場合のお話をしようと思います。

お亡くなりになった方が遺言書を作成してお亡くなりになった場合、原則的には、その遺言書に書かれたとおりに遺産を承継させることになります。

通常、遺言書は1通しか作成しないかもしれません。
でも、たとえば「親が亡くなって、部屋を整理していたら遺言書が2通見つかった」というようなケースがあり、相続人の方が、2通の遺言書を持って相談に来られることがときどきあります。
遺言者が、1通目の遺言書を書いたあとに、心が変わって2通目を書いたと考えられます。

このような場合の2通の遺言書の優先順位はどうなるのでしょうか?

・日付

優先順位は、遺言書が作成された日付で判断します。
平成30年4月1日と日付の書かれた遺言書には「Aさんに全財産を相続させる。」と書かれていて、
平成30年4月2日と日付の書かれた遺言書には「Bさんに全財産を相続させる。」と書かれていた場合、
たった1日の違いですが、日付の新しい遺言書が優先され、全財産はBさんが相続することになります。

・日付が古くても内容が抵触しない場合は古い遺言書の効力も認められる

たとえば、4月1日作成の遺言書に「甲不動産はAさんに相続させる。」と書かていて、
4月2日作成の遺言書に「乙不動産はBさんに相続させる。」と書かれていた場合、
新しく作成された遺言書の内容を実現しても、古い方の遺言書の内容も実現させることができます。
このように新旧の遺言書の内容で矛盾しない部分については、日付の古い遺言書も効力があります。

遺言書を作成するときは、誰になにを相続させるか、今後心は変わらないと思い作成することがほとんどだと思いますが、たとえば5年前遺言書を書いたときとは気持ちが変わってきている、ということもあるでしょう。

遺言書はいつでも、以前書いた内容と違う内容の遺言書を作成することによって書き換えができます。
自筆証書遺言で作成した前の遺言書をまた自筆証書遺言で新しく作成し直すこともできますし、今度は公正証書遺言で作成し直すこともできます。
また前は公正証書遺言で作成したけれど、今度自筆証書遺言で作成し直すことも可能です。

ですが新しく作る遺言書もまたしっかり遺言書としての要件を満たしている必要があります。
ですので新しく遺言書を作る際も、法的に要件の適ったものを作るのが難しい自筆証書遺言より公正証書遺言をおすすめします。

「前に遺言書を作成したんだけど、その頃とは気持ちが変わって財産をあげたい人が変わった。」など、遺言書の書き換えをお考えの場合は、公正証書遺言の作成のお手伝いをいたしますので、ご相談ください。