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2026年2月25日 / 法律

遺言書を作成しておいた方が良い場合とは?

今日は、日頃私が相続登記の依頼を受ける中で、遺言書がないことで手続きが複雑・長期化し、お亡くなりになった被相続人の方ももしかしたらこんなに複雑になることを望んでいなかっただろうな、と「遺言書を作成しておくことの大切さ」をつくづく感じたケースをいくつかご紹介します。

ケース1  「子どもがいない」
結婚して子どもがいないケースで、例えば夫が亡くなったとします。(夫の両親は既に死亡しているとします。)
この場合、夫の相続人となるのは妻と夫の兄弟です。
夫が妻に財産の全てを残したいと希望していたとします。
もしその内容を書いた遺言書があれば、遺言書どおりに全て妻に相続させることができます。
しかし遺言書を書いていなければ、妻と夫の兄弟全員で遺産分割協議をして、誰がどの財産を相続するか話し合う必要があります。
妻と夫の兄弟が日頃からよく連絡も取っていて仲が良い場合はそれでも問題ありませんが、遠くに住んでいて疎遠である場合などは話し合いがまとまらない可能性があります。
詳しくは、お知らせの過去記事の「法律ミニクイズ6 相続人は誰になるでしょう」にも記載しております。

ケース2  「相続人の中に障がいのある方や認知症の方がいる」
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議という誰がどの財産を相続するかを決める話し合いをする必要があります。
これは自分の財産の得喪に関わる大事な話し合いです。
認知症の方や知的障がい、精神障がいをお持ちの方の中には、こういった大事な話し合いにおいて適切な判断ができず不利な状況になってしまう方もおられます。
かと言って、この方たちを省いた相続人で遺産分割協議をすることはできません。
遺産分割協議は必ず相続人全員で行う必要があります。
では、認知症の方や障がいをお持ちの方の場合はどうするのか、というと、その認知症の方や障がいをお持ちの方について成年後見制度を利用して、その方の代わりに遺産分割協議をしてくれる人を裁判所に選んでもらうのです。
成年後見制度を利用するには、費用も時間もかかります。また成年後見制度を利用したからと言って、必ず他の相続人が望む協議内容になるとは限りません。
遺言書があれば、この遺産分割協議をせずに相続手続きができますので、相続人の中に判断能力が十分でない方がいる場合は、遺言書を用意しておくとスムーズに手続きができます。

ケース3  「相続人の中に行方不明の方がいる」
ケース2の場合に書きましたように、遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
相続人の中に、行方不明の方がおられる場合でも、その方を省いて遺産分割協議をすることはできません。
行方不明の方がおられる場合は、不在者財産管理人というのを裁判所に選んでもらって、その不在者財産管理人に代わりに遺産分割協議に参加してもらう必要がでてきます。
こちらもまた費用と時間がかかることになります。
遺言書があれば、遺産分割協議をすることなく相続手続きができますので、行方不明の方がおられる場合でもその行方不明者の関与なしに相続手続きができます。

ケース4  「再婚している」
亡くなった人には相続人として奥さまと子どもがいます。
でもその亡くなった人は、今の奥さまの前に結婚していたことがあって、その間に子どもがいます。
この場合、今の奥さまと子ども、それから前の奥さまとの子どもが相続人になります。(前の奥さまは相続人にはなりません。)
「今の奥さまと子ども」と「前の奥さまとの子ども」の間に交流があることはめったにないと思います。
遺言書がなかったら、相続人全員で遺産分割協議をする必要がありますので、今の奥さまと子どもは、前の奥さまとの子どもに連絡を取って話し合いをしなければならなくなります。

今回は遺言書があれば、スムーズに相続手続きをできただろうなというケースをいくつか紹介させていただきました。

今回のケースのように、相続人全員では話し合いが難航しそうだな、という場合には遺言書を作成して準備しておくことをおすすめします。

遺言書作成のご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。