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2018年7月18日 / ブログ

在外日本人の方を含む遺産分割協議による相続登記

今日は、相続人の中に海外に住んでいる方がいる場合の相続登記についてお話しようと思います。

遺産分割協議によって相続人のうちの誰かに遺産を相続させた場合の相続登記の申請には、遺産分割協議書を添付する必要があります。
法務局に対して、誰がどの不動産を相続する協議がされたのかを証明するためです。
そして、この遺産分割協議書には、その協議書の真正を担保するために、協議に参加した者全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付しなければなりません。

先日、お亡くなりになったお父様名義の土地を息子さん名義にしたいという依頼を受けました。
戸籍を調査したところ、相続人はその息子さんを含めて5人。
そのうちひとりの方が海外に住んでいる方でした。
息子さん名義にするために、その内容を記載した遺産分割協議書を作成し、そこに相続人全員に署名・押印(日本在住の方は実印・海外在住の方は拇印(後述))してもらうことになりました。

協議書に付ける印鑑証明書ですが、日本に住所がある方は住所地の市役所で印鑑証明書を発行してもらうことができますので、海外に住んでいる方以外の4名の相続人の印鑑証明書はそれぞれ住所地の市役所で取っていただきました。
さて、では印鑑を証明する制度のない海外に住んでいる方はどうすればいいのかというと。。。
海外に住んでいる方は印鑑証明書を発行してもらえないので、住んでいる地域の日本領事館に遺産分割協議書を持って行っていただき、職員の面前で、協議書にサイン及び拇印を押捺して、それに領事館発行のサイン証明書を合綴してもらう必要があります。
またサイン証明書には、住所が記載されないので、別途在留証明書も発行してもらう必要があります。

このケースのように、相続人の中に海外に住まれている方が含まれている場合は、海外に郵送で協議書を送り、それをまた返送してもらうことになりますし、領事館でサイン証明書を取得するには領事館に予約を入れる必要があるところもあるので、時間的な余裕は持っておいたほうがいいです。

今回は海外への書類の郵送や領事館でのサイン証明書の取得などもスムーズに行われ、依頼を受けた日から戸籍収集にかかった日にちも含めて、1か月ちょっとで問題なく相続登記が完了しました。

相続登記が未了のまま放っておくと、相続人が死亡し、さらにその相続人が手続きに参加しなければならなくなり、どんどん人数が増えて複雑になり、現実的に手続きが不可能となるケースもあります。
相続人の中に海外在住の方がいらっしゃるような一見難しそうに思われる場合でも、相続登記ができるようになっていますので、登記未了の方はぜひご相談ください。